星新一賞授賞式
こっこ、元気?
電話で知らせた授賞式に東京に行ってきたよ。会えたらよかったけど、急だったからごめんね。ああいう受賞って確定までが長いんだか何だか、結局式の2週間前まで他言しちゃダメって言われて、私ももどかしかった。
でも、一旦決まったとなると、当日には受賞コメントをお願いしますなんて言っておどかすんだもん、まったく人前で話すのが苦手だから文字でコミュニケートしてるっていうのに、おかしな具合だったわ。
今回は受賞自体も幸せなことだけど、式に出ることで気付けたことがいっぱいある。ひとつは、会場の皆さんが私に興味を持って、ひとりの人として話しかけてくださったこと。
今までは身近な大人というと親とか先生で、どちらかというと上からものを言うヒトしか、私はあまり認識できてなかったと思う。それが、好きなことの前では全然老若男女がないんだ!というのは驚きだったよ。
”名前の付け方がいいですね”とか、”どのくらいの期間で書きましたか?”って書くことについて聞かれたり、”今度お茶でもしましょう”って誘われたり(大人の人が中学生にだよ!)、と他の受賞者さんたちが私を同等に扱って下さるのがとても嬉しかった。
もうひとつは、一流の方というのは穏やかで威張らないものなんだということ。
会場には審査員であるタレントの太田光さん、作家の貴志祐介さん、宇宙飛行士の山崎直子さん、そして星新一さんの娘さんの星マリナさんらがいらしたけど、どなたも凛としたたたずまいではあるのにとっつきにくさはなくて、色々褒めてくださったり、気さくにアドバイスをくださった。
でも強烈なオーラがあって、もうこっちは勝手に姿勢正しくなっちゃうし、日々精進します!なんて殊勝なことを誓っちゃうわけ。そうさせるもんがあるから。
テレビやなんかで見てる押しの強い人や有名人が一流とは限らなくて、むしろ逆なんだと思った。これにはぱあっと視界が開けるような気がしたよ。これからもそんな人にもっと出会っていきたいなあ。
それにしても、そこにいる皆さん本が大好きということで、ひとつの愛で一致している空間っていうのは何と言っても心地いいよね。だからとても忙しい一日だったけど全然疲れなかった。きっと本好き周波数みたいなものにチャンネルがぴたっと合って、体も心もほぐれてたんやと思う。
ひさしぶりの東京なんで余分にもう一泊して、日曜日はいわゆる女子中高生の聖地?竹下通とか行ってみたけど、何なん?あれは。あんな混んでるとこに買い物行くん?
観光客とおのぼりさんオンリーかもしれんけど、恐ろしい熱気やな。そんで、お小遣いいくらあっても足りひん気ぃした。私は日ごろそんな物欲に流されへんほうやけど、なぜか臨時買い物スイッチが体に付着しててやな。やばかったわ。
電源を切る勇気を持つためにも、自分を掘り返してせっせと字やら何やら書いてなこりゃ、いっぺんに流れていってしまうと思たわ。あ~魅惑的、東京。